電子タバコの歴史的経緯を考察してみる

Web上に散らばる各種断片をつなぎ合わせて私なりの理解をまとめてみた。まずはマスプロダクトアトマイザーについて。

黎明期

電子タバコは3ピース構成でした。
バッテリー・アトマイザー・カートリッジ。
これはそれぞれの寿命が異なっていたこと、カートリッジはあらかじめリキッドが充填され(プリロード)ており使い捨てであったことが大きな要因であると思っています。
寿命はバッテリー>アトマイザー>カートリッジ、であったはずです。
カートリッジには何らかの繊維質が詰められており、その繊維質の毛細管現象などを利用してリキッドを保持していたようです。

このころの電子タバコはいつリキッドが切れるかわからないという、ドライヒットとの戦いであったようです。
さらにアトマイザーとカートリッジが分離しているために、液体がどうしても継ぎ目から漏れるという構造上の問題を抱えていたようです。

カートマイザーの登場

カートマイザー、Cartomizerと綴ります。
CartridgeとAtomizerを一体化したのでCart-o-Mizerという造語を作ったのでしょう。
このカートマイザーの登場で、リキッドの漏れとの戦いにある程度勝利することになります。カートリッジとアトマイザーの継ぎ目がなくなるため、そこから漏れることはなくなるわけです。
初期カートマイザーは3ピースのカートリッジとアトマイザーをそのままくっつけたような構造でした。何らかの繊維が充填され、その繊維の隙間にリキッドを保持することで倒れても漏れない代わりにリキッドチャージ後、実際にカートリッジ底部のコイルに到達するまでかなりの時間を要していたようです。

タンクシステムの登場

カートマイザー時代とほぼ同時期と思われますが、eGoに革命が起こります。eGo-Tというタンクシステムの登場です。タンクは透明で、リキッドの残量がよくわかります。
カートマイザーは漏れにくいのですが、欠点としてリキッドの残量が分かりにくいのです。リキッドチャージ時に多くチャージしてしまいあふれてしまったり、使っているときにリキッドをすべて使い尽くしてドライヒットするという悲劇がありました。
この残量が分かりにくいという問題を解決したのがタンクシステムです。
eGo-Tではタンクカートリッジ・アトマイザー・バッテリーの3ピース構成のままでしたので、リキッド残量はわかりやすいものの漏れの問題は解決できていませんでした。

クリアロマイザーの台頭

カートマイザーの問題点であったリキッド残量が分かりにくいという問題に対し、eGo-Tが見せた解決策、透明タンクの採用はカートマイザーにも取り込まれます。カートリッジ部分が透明(Clear)になったカートマイザー、Clear-o-Mizer、クリアロマイザーの登場です。
このクリアロマイザー、電子タバコのアトマイザーのほぼ標準となっていきます。
トップコイルの傑作CE4からコイル交換可能なVision Stardust(V3)が生まれ、さらにデュアルコイルのV3+が生まれます。
さらに重力に逆らってリキッド供給するためにどうしても不足が起こりやすいトップコイルから重力に逆らわないボトムコイルが生まれKangerTech MT3やProtankシリーズ、そして現在の系譜に連なるAspire NautilausやAtlantis、KangerTech AeroTank/SubTankなどの傑作アトマイザーが生まれます。

次はリビルダブル系の話の予定です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください